「いつか留学したい。でも——」。費用、語学力、学業やタイミング。理由はそれぞれでも、一歩を踏み出せずにいる学生は少なくありません。この記事では、データで留学の現在地を確認したうえで、「国内留学」という考え方——海外に行かなくても、東京で留学体験の核心をつくる方法——を掘り下げます。
データで見る、日本人学生の留学のいま
JASSO(日本学生支援機構)の「2023(令和5)年度日本人学生留学状況調査」によると、2023年度に海外留学を開始した日本人学生は89,179人。前年度から53.3%増と急回復しています(出典: JASSO 調査結果)。コロナ前には10万人を超えていた留学者数が、2020年度には入国制限で約1,500人まで落ち込み、そこから戻ってきた数字です。
ただし、この内訳には見逃せない事実があります。
| 留学期間 | 割合 |
|---|---|
| 1か月未満 | 64.0% |
| 1〜3か月 | 9.8% |
| 3〜6か月 | 11.6% |
| 6か月〜1年 | 11.7% |
約3人に2人は「1か月未満」の短期プログラムです。語学や異文化適応が「日常」になるには、短期留学だけでは時間が足りない——多くの経験者が実感するところです。つまり、いま留学する学生の大多数にとって、出発前と帰国後に国際環境をどう確保するかが、留学の成果を左右する隠れた変数になっています。
費用の壁は、たしかに存在する
留学に踏み切れない理由の筆頭は費用です。全国大学生協連の「第61回学生生活実態調査」によれば、下宿生の平均的な家計は仕送り74,652円+アルバイト37,620円+奨学金19,515円=月約13.8万円(出典: 全国大学生協連)。この家計にとって、渡航費・現地生活費・授業料が上乗せされる長期留学は簡単な意思決定ではありません。円安局面ではなおさらです。
だからこそ、問いを変える価値があります。留学で本当に得たいものは、何でしょうか。
留学で得たいものを分解する
多くの人が留学に期待するのは、およそ次の4つに集約されます。
- 語学 — 英語が「勉強」ではなく「日常」になること
- 異文化適応 — 価値観の違いに驚き、慣れ、面白がれるようになること
- 人脈 — 国境を越えて続く友人関係
- 自分が変わる経験 — 環境を変えることで、自分の当たり前が壊れること
この4つに共通するのは、いずれも「飛行機に乗ること」そのものからは生まれない、ということです。生まれる場所は、価値観の違う誰かと毎日を共にする生活のなか。だとすれば、その環境は東京にもつくれます。これが「国内留学」という考え方です。
世界のほうが、日本に来ている
国内留学が机上の空論でない理由は、もう一つのデータにあります。日本で学ぶ外国人留学生は2025年5月時点で408,069人と過去最多を更新しました(前年比21.2%増。出典: JASSO 外国人留学生在籍状況調査)。あなたが海外に行かなくても、世界中の同世代が、いままさに日本に集まっています。問題は「出会う環境に身を置いているか」だけです。
国内留学の3つの型
国内留学は、海外留学の「代わり」に限りません。使い方は大きく3つあります。
- ① 留学前の助走として — 渡航前の数か月〜1年、多国籍環境で暮らして英語の日常化と異文化耐性を先に済ませる。現地到着後の立ち上がりがまったく変わります。短期留学が主流のいま、「1か月の留学」の前後を国内留学で挟めば、体験は数倍に伸びます。
- ② 留学が難しいときの選択肢として — 費用・家庭・就活・学業の事情で今は行けなくても、国際体験そのものは始められる。渡航を諦めることと、国際環境を諦めることは、別の話です。
- ③ 帰国後の継続として — 留学で得た語学と感覚は、使わなければ薄れます。帰国後も多国籍の日常に身を置き続けることで、留学を「思い出」ではなく「土台」にできます。
多国籍レジデンスでの暮らし=毎日が異文化
U Share の国際学生レジデンス(東京・西早稲田)では、世界10か国以上の国際学生と日本人学生が同じ屋根の下で暮らしています。朝のキッチンでの立ち話が英語になり、週末には知らなかった国の料理に出会う。試験前には各国の勉強スタイルの違いに驚き、月次イベントではフロアを越えたつながりが生まれる。RA(レジデント・アシスタント)が新しい入居者を迎え、コミュニティに溶け込むまで伴走します。
これは偶然に任せた「外国人もいるシェアハウス」ではなく、住まい自体が学びの場になるよう設計された「居住型教育(Residential Education)」の実践です。
実際に「国内留学」を生きた人たち
当レジデンスの卒寮生は、スイス出身の入居者(フランス語話者とドイツ語話者)と英語で語り合い、マレーシアの友人から広東語を学び、シンガポールの仲間と料理をシェアした日々をこう振り返っています——「U Share は、海外留学を控えた日本人学生にも、とてもおすすめできる場所」「入居してから、私は30か国以上を旅するようになりました。多文化な環境へのためらいを乗り越えられたのは、この家の存在が大きかった」。詳しくはインタビュー「パスポートのいらない留学」をご覧ください。
アメリカ・カナダ・日本で育った RA の体験談「寮以上の場所」も、「日本にいながら英語を使い続けられて、文化交流で視野を広げられる国際的な環境」を自ら選んだ一人の記録です。
国内留学を最大化するチェックリスト
環境を選ぶだけでは、体験は自動的には深まりません。次の5つを意識すると、国内留学は「留学級」になります。
- 共用空間で過ごす時間を決める — 部屋にこもれば、どこに住んでも日常は変わりません。
- イベントには最初の1か月で顔を出す — 関係の種は入居直後に蒔かれます。
- 「教わる側」に回る — 相手の母語や料理を教わると、会話は一気に深くなります。
- 日本語を教える側にもなる — 国際学生にとってあなたは「日本の窓口」。ギブが先です。
- 留学計画があるなら公言する — 行き先の国の出身者や経験者が、必ず力になってくれます。
世界は、出かけていく場所であると同時に、住む場所のなかにもつくれる。それが国内留学です。
次の一歩
住まいが学びになる仕組みは「居住型教育とは」へ。入居者のリアルな声はVoicesに。費用や部屋のイメージは Find Your Room(60秒診断)、詳しい資料は資料請求からどうぞ。




